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民主主義を捨てたロシア

 昨日ロシア当局から残念なニュースが届いた。長年プーチン大統領をはじめとするロシア政府に対して、反対運動をリードしてきたナワリヌイ氏が死亡したということだ。北極圏にある極寒の施設に収容されていたと聞くが、散歩中に倒れて急死したという説明だ。心からのご冥福を祈りたい。

 しかしこれに対してロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領をはじめ、多くの民主主義国首脳からは、明らかに殺害されたのではないかとか、死亡の責任はロシア政府にあるという、厳しいコメントが発出されている。

 多分、真の死亡原因は明らかにされないと思うが、殺害の可能性はかなり高く、そうでなかったとしても長年にわたり同氏を勾留し続けていた、ロシア政府の責任は決して免れない。過去においても機中で毒殺未遂に遭ったり、長年の勾留中の過酷な扱いや酷い環境の中で、健康を損なってきたことは想像に難くない。

 3月15日から17日に行われるロシア大統領選挙直前のタイミングでの出来事に、世界の目は否が応でも惹きつけられるが、ロシア国民が今後どう動くのかにも注目される。ナワリヌイ氏の死去により、リーダーを失った反対運動の人々は、一層熾烈な行動に出る可能性がある。しかし一方では政府への抗議の意思表示をした途端に当局から狙われ、同氏と同じ扱いを受けるのではという恐怖感を募らせ、余計に口を閉ざすのではないかと予想する向きもある。

 いずれにしても今回の件で、3月中旬の大統領選挙でプーチン氏が選出されることは間違いはなくなった。しかし同時にロシアは完全に民主主義国家ではなくなる虞があり、それを食い止めるには良識と勇気のあるロシア国民が立ち上がり、少なくとも大統領選挙でプーチン氏への支持をやめるべきではないだろうか。

 内政干渉になってはいけないが、過去において8割近い得票率を誇ったプーチン氏が、それを5割とか6割に減らしたとすれば、ロシア国内では何らかの変化が起こるのではないか。

[ 2024.02.19 ]
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