はじめのマイオピニオン - my opinion -
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山林火災に思う

 大船渡の山林火災は、発生以来12日間燃え続け、2900ヘクタールもの山林が失われた。これは山手線内の面積の半分に該当する。また最近は岡山市南区でも5日間で600ヘクタール、同じ頃、愛媛県今治市でも450ヘクタールの山林が焼失した。過去日本で発生した山林火災で最大のものは、宮古市周辺の14ヶ所から発生した1961年の「三陸大火」で、2万9000ヘクタール、大船渡火災の実に10倍にもなる。

 いずれの火災も多くの消防団員や自衛隊員が従事され、必死の消火作業が行われ、一部で延焼を防ぐことが出来るなど、成果を上げてくれている。しかし完全に鎮圧するにはまとまった雨を待たなければならなかった。自然の力を抑え込むのは、やはり自然の力しかないのだと思い知った。

 私が森林火災に遭遇したのは、宇都宮市の西北部にある古賀志山だった。2007年2月、焚き火の残り火が下草に燃え移って、3日間燃え続け、約7ヘクタールを焼失した。その際消防関係者を激励した時、山林火災の特徴と鎮火の難しさを教えてもらった。

 人の力が及んでいない山林は、長年にわたり枯葉が厚く積もっており、一度その中に火が入ると燻り続ける。強風により新しい酸素が供給されると、一気に燃え上がってしまうという。さらに困難なのは、枯葉の上から水をかけてもなかなか火種に届かないので、鎮火に手間取るということらしい。

 山林火災の原因は落雷や木々同士の擦れかと思っていたが、原因の5%にも満たないようだ。多くは焚き火やバーベキューの残り火を完全に消火しなかったり、放火や失火など人為的な原因がほとんどであるという。またそれによる火災が広がってしまうのは、異常な乾燥と強風が環境を作ってしまうからだ。

 ロサンゼルス近郊の大火災、大船渡大火を見るにつけ、山に行ったらとにかく、個人的には火の始末をきちんとすること、国レベルとしては、山林の手入れを定期的に実施するとともに、地球温暖化を阻止する取り組みに積極的に関与することである。

[ 2025.03.31 ]
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