はじめのマイオピニオン - my opinion -
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加熱する?!自民党総裁選挙

 先週私は衆議院憲法審査会の与党筆頭幹事として、欧州3カ国を訪問し、国民投票(レファレンダム)におけるSNS規制の実態について、詳細な調査をした。実はその帰途でベルリン空港が、ロシアからと思われるサイバー攻撃に遭い、システムダウンのため搭乗手続きなどを手動で行う羽目にあった。さらにフランクフルトからの日本直行便が、中国国内で大規模な軍事演習のため、出発を2時間遅らせられる羽目にあった。

 幸い数時間遅れで帰国できたが、安全と思われた欧州の航空事情も、決して安全ではなくなったこと。欧州全体がウクライナ戦争の戦場に近い場所であることを、期せずして体感することとなった。

 帰国後直ぐに自民党総裁選挙の火蓋が切られ、連日候補者5人が参加する討論会や紹介番組が組まれ、SNSを開くと各候補者陣営からのPRが飛び出してくるようになった。私は地元栃木県から初の総裁総理を誕生させるべく、茂木敏充候補の推薦人となり、微力を尽くしているが、全体としてはやや盛り上がりに欠ける展開となっている。

 もちろん同じ政党の中の争いだから、政策選択に大きな違いのないことは当然だが、各候補とも目先の政策実現の主張に偏り過ぎており、中長期的な国家観、世界の中の日本の役割、ガザでの悲惨な状況をどう解決するか、トランプ政権とどう向き合うかなど、外交や安全保障分野での競い合いが少なすぎる。演説会や討論会での同分野についての枠が少ないことも影響しているが、候補者自らが積極的に発言するような場面があって欲しいと思うのは、私一人だけではないはずだ。

 もう一つ物足りないのは、これまでの自民党の負の遺産と言われる、政治とカネの問題の根本的な解決策、完全な派閥の解消など、きちんとけじめをつける発言がほとんど聞かれないことである。「解党的出直し」が今回の総裁選挙のテーマであるなら、このことを避けて通るべきではない。残り1週間、これらのテーマについて、より盛んで真摯な議論が展開することを願ってやまない。

[ 2025.09.29 ]
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