衆議院総選挙から1週間が過ぎたが、野党側はまだ混乱が続いている。立憲民主党を除いては、希望の党や民進党、無所属の会では党首の顔もなかなか決まらず、来るべき特別国会への対応もままならない。「野党の自滅」という選挙の構図がそのまま国会に持ち込まれようとしている。
一方与党はというと、解散前勢力をほぼ維持した自民党がやや減らした公明党との連立を確かめ、引き続き政権を担うとの自信を強めている。しかし過去においては、この自信が「過信」となって内閣支持率を下げてしまったことを忘れてはならない。丁寧な政権運営が求められている。
特別国会は憲法54条の規定により、総選挙後30日以内に開かなければならない。今回は11月1日に召集される。当初官邸側は外交日程との関係から、首班指名と院の構成を決めるだけの最小限で、実質審議を行わず8日には閉会とする日程を提示していた。
もし今年中に臨時国会が開かれないとすると、6月末に閉会した前の通常国会から、半年間も国会審議が行われないという異例の事態を迎える。8月3日に就任した各大臣の所信も、就任以来5ヶ月間も聞くことができないことになる。
安倍総理は選挙中の演説で、「今後は丁寧に、真摯に対応していく」趣旨の発言を行い、選挙後も政府与党幹部は同様の発言を繰り返している。そのような言動にもかかわらず特別国会を最小限で閉会にしたら、言行不一致の誹りを免れないのではないか。
外交日程があるにせよやり繰りをすれば、衆参で1日づつの予算委員会を開くことは可能だし、それがだめならあらためて年内に臨時国会を開くという選択肢もある。特に私は若者の権利と義務をはっきりさせるため、選挙権年齢の引き下げと対を成す、成年年齢の引き下げを実現する民法改正をいち早く審議してもらいたいと思う。
人口減少社会を迎え、若者への投資の重要性を唱えて選挙に臨んだ一人としては、投資に応えられる若者の自覚を促すことが急務と考えるからだ。この問題は与野党の区別なく、現役世代が真剣に考えなければならない重要な課題であり、全会一致あるいはそれに近い多くの政党の賛同が不可欠と考える。