はじめのマイオピニオン - my opinion -
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はやぶさ2への期待

 JAXAの小惑星探査機「はやぶさ」が、2010年6月に地球に帰還するまで7年間、宇宙空間を飛び続けていたことは記憶に新しい。この間、小惑星「イトカワ」にタッチダウンして、ごく微量の塵を採取するという人類史上初めてのミッションに成功した。「サンプルリターン」と呼ばれる。飛行距離は実に60億キロに及んだ。

 当時はやぶさが脚光を浴びたのは、サンプルリターン以上に、宇宙空間を彷徨ってしまったことである。地球と交信するためのアンテナが壊れて音信不通、さらにイオンエンジンも故障してしまい、数年間も行方不明になっていたが、研究スタッフたちの懸命な捜索により、ようやく帰還することができた。あまりにもドラマチックだったため、映画化され大ヒットした。

 しかし科学的には成果はまだまだ十分ではなかったため、JAXAは新たなミッション「はやぶさ2」に着手した。2014年に打ち上げられ、今回は小惑星「リュウグウ」へのタッチダウンを目指している。あと1年後に到達すべく順調に飛行を続け、3年後の2020年に地球に帰還する予定という。東京オリパラの年でもあり、多いに盛り上がるのではないか。

 サンプルリターンを成功させるためには、リュウグウの地形を詳細に調べる必要があるが、地上からの観測ではほぼ球形である以上のことは分からない。はやぶさ2が近づいた時に、自ら観測して最適地を探すようだ。またソフトランディングしなければならないが、地球からのコマンドには時差があるため、搭載コンピュータが自ら考え判断するという。まさにAIの出番である。

 このミッションは、地球上の生命誕生が小惑星など外からもたらされのでないかという、人類共通の疑問に答えると同時に、日本の科学技術の水準の高さを内外に示す絶好の機会となる。我が国を取り巻く内外の環境は手詰まり感があるが、科学技術によってこれらを突破する可能性に期待したい。

[ 2017.07.18 ]