ここ数日、日本列島は第一級の寒波に襲われている。大学入試センター試験に挑戦している受験生にとっては、特に心配な状況であり、大雪による交通機関の乱れが最小限に抑えられることを願わずにはいられない。
我が国の気候の特徴のうち最も顕著なのは、やはり冬の日本海側の降雪だろう。深いところでは3mも4mも積もってしまうこの雪は、シベリア高気圧から吹き出る寒風が、日本海でたっぷり水蒸気を蓄え、山脈にぶつかる時に雪として吐き出すから堪らない。
雪国では「雪下ろし」という過重労働が不可欠で、転落死もしばしば発生する危険な作業だ。交通機関の乱れも茶飯事で、経済的損失も膨大である。一方根雪は春には解けて、豊富な「雪解け水」となって、田畑を潤す。有数な米どころが日本海側に多いのも、この雪のおかげである。
日本海側の人々は、雪に対する闘いを延々と続けている。雪よけのアーケードはもとより、道路の融雪装置、防寒の備えなど、あらゆる工夫を凝らして、少しでも安全に快適に暮らせるよう、知恵を絞ってきた。行政もそれに対する手当や措置を行ってきた。
我々太平洋側に住む人間としては、雪合戦、スキーやかまくらつくり、雪まつりなど、楽しいことばかり考えてしまい、雪の怖さをほとんど知らない。雪の備えも十分でなく、少しの積雪で転倒やスリップ事故を起こしてしまう。
雪が降るか降らないかでこれほどの違いが生じ、人々の人生観や価値観にまで影響を与える。我々はもっと日本海側の人々と交流し、彼らのの気持ちを理解しなければいけないと、大雪のテレビニュースを観ながら思いを巡らせた。