はじめのマイオピニオン - my opinion -
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9年後の皆既日食

 今年の8月と9月は雨に祟られ、千葉県をはじめ豪雨被害も各地で発生した。連続降雨記録も観測史上最長の37日間に及んだ。相次ぐ台風の襲来、太平洋高気圧の張り出し不足、そして強力なエルニーニョ現象も影響したかもしれない。

 一方で珍しい天体現象が、私たちの視野に入ってきた。今から9年後の2035年9月2日の午前10時頃、新潟から長野、群馬、栃木、茨城と東に向かう幅100キロ超の帯状に、皆既日食が観測される。栃木では宇都宮を含め県央地域が日食帯の中に入る。日食とは太陽-新月-地球の順で並び、しかも月の影に太陽がすっぽり隠れる現象だ。

 月の影から太陽の縁が少し漏れるのが金環食で、これはあまり暗くならないが、皆既日食は昼間なのに真っ暗になる、特別な現象だ。古代人はこれを不吉な現象と考え、神仏に祈りを捧げた。天照大神の「天の岩戸」神話もここから来ている。

 皆既日食の前後にはダイヤモンドリングという、とても綺麗な現象が見られるほか、太陽の近傍にあるコロナ(一種のプラズマ)も観測できる。ただしそれらが観測するには晴れてなければならない。当日晴れることを、それこそ神仏に祈らなければならない。

 ところでこのような珍しい天体現象が、しかも交通の便良く、先進地域で起こるとあって、天文研究家、天文ファンのみならず、一般の観光客がこれを目当てに、大量に押し寄せることが想定されている。これまでの日食でも各地で混乱やトラブルがあったと聞く。安全策を今のうちから準備しなければならない。

 関係自治体、警察・消防、運輸事業者、旅行会社、教育機関などあらゆる関係者の協力が必要となる。広い観測場所を用意して、民家や農地に勝手に入ってしまう人を減らさなければならない。列車やバスの増発もお願いしなければならない。子どもたちには日食が起こる仕組みを教えたり、裸眼で太陽を見ないよう、日食グラスを普及しなければならない。

 幸い私の知人に、大手旅行社で数十年にわたり日食ツアーや、地元関係者との連携を経験した方がいる。その方のアドバイスももらいながら、準備作業を後押しして、トラブルのない皆既日食を迎えたいと思う。

[ 2026.10.05 ]