いつの頃からか定かではないが、新聞誌面から天気図が見当たらなくなった。昭和に育った私は、毎朝天気図を見て今日の天気はどうか、明日以降の天気はどうなるか、予想するのが楽しみだった。しかし今の私は、多くの人もするように、スマホで今日の天気を確かめ、雨雲レーダーで雨の降る様子を瞬時に調べてしまっている。
確かに天気予報のウェッブページは天気ばかりでなく、様々な情報が満載で、便利なことこの上ない。しかし一方で毎朝天気図を見て今日明日の天気を予想する楽しみは、残念ながら失われてしまった。
また最近、スマホ画面で文章を書くことが多くなったが、いざボールペンで漢字を書こうとして、なかなか書けなくなったと経験するのは、私だけではないはずだ。子供の頃や学生の頃は、「漢字ドリル」などという面倒くさい宿題があり、何度も何度も文字を書いて覚えたものだ。
デジタル社会となり、生活の便利さは比較にならないほど改善した。しかし、天気図を見て明日の天気を予想することがなくなれば、新しい学習指導要領で盛んに求められている「探究学習」のチャンスは減ることになる。文字を書くことが少なくなれば、手先の器用さは失われ、日本人が優位性を誇って来た「ものづくり」の技術が、失われてしまうかもしれない。
我々の生活、特に若い人たちの生活をデジタル技術で埋め尽くすのではなく、アナログの部分を少しでも残しておくことが、とても重要な要素になるのではないか。