昨年秋に行われた国勢調査の結果が徐々に発表されている。5年ごとの調査だが、毎回回収率が下がり続けており、1995年には98%もあったが、今回のそれは80%ほどだった。文字通り国の形を調べる重要な調査だが、回答率が下がるとその輪郭がぼやけ、行政の執行や政策策定に支障をきたしかねない。更なるネット活用を進めたい。
今回の調査結果で一番気になったのは、やはり人口減少である。5年前に比べ全国で309万人、2.5%も減った。東京都と沖縄県を除く道府県全てが減少を記録した。特にショックだったのは、20の政令市のうち13市でマイナスになったことだ。大都市でも減少の波をまともに受ける事態となっている。
人口減少の最大の原因は、言うまでもなく少子高齢化である。子どもの数を増やすことが根本的な解決手段だが、残念ながらなかなか成果は上がらない。我々がまずなすべきは、加速度を増す人口減少社会を、どうやってソフトランディングさせるかである。
平成の大合併により市町村の数は半減した。行政の広域化によって人口減少の波をなんとか受け止めることはできた。しかしながら社会インフラの対応は、まだ十分とは言い難い。まちの公共施設はまだバラバラに存在するし、利用人口に比して大きすぎるものが多い。上下水道の延長距離もまだ長く、メンテナンスに多額の費用を要する。
国土交通省は10年ほど前から「コンパクトシティ構想」を打ち出している。宇都宮市はそれに先立って、中心市街地といくつかのクラスターを結びつける「ネットワーク型コンパクトシティ構想」を打ち出している。コンパクトシティとは、公共施設の集積や合築、併設を行い、市民の住む場所を集約して、徒歩や公共交通で用を足せる構造にすることだ。道路や上下水道の整備も人の多く住む場所で集中的に行うことだ。
もちろん人々の住む場所を強制することはできないが、様々なメリットにより誘導することは可能である。日本社会はかつて世界に類を見ないほど急成長を遂げ、都市部もどんどん拡大してきたが、人口の減少や低成長、場合によってはマイナス成長の時代を迎えている。この事態をしっかりと踏まえて、行政も国民も「賢く縮む」コンセプトを持たなければならない。