はじめのマイオピニオン - my opinion -
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古文書の価値について

 先日は国会日程の合間を見て、水戸にある茨城県立歴史館を訪問した。友人の誘いもあり、丁度素晴らしい企画展に行くことができた。東京大学史料編纂所と連携協定を結び、国宝級の史料をじっくり拝見することができた。同大学の編纂所が外部に史料提供したのは、過去に国立東京博物館しかなく、地方の施設に提供したのは今回が初めてのことらしい。何とも羨ましい限りである。

 また今回の企画展の目玉は、豊臣秀吉が毛利勢と戦っている最中、毛利勢から豊臣勢に寝返った武将への自筆の礼状である。何と本能寺の変で信長が死去した翌日となっている。当時、秀吉にはまだ主君の悲報が伝わる前だったようだ。しかもこの書状は昨年秋、ある民間人がYahooオークションに出品したところを、専門家が偶然見つけて、東大編纂所に持ち込み、本物であることを確認したというから、偶然のなせる技としても驚きである。

 この他にも鎌倉時代から江戸時代の名だたる武将の直筆の書状、国宝に位するものが数多く出展されている。簡にして要を得た解説をしてくれた山縣創明主任研究員にも、感謝しなければならない。

 実はこの歴史館はかつて茨城県の知事や参議院議員を務めた故岩上二郎(にろう)先生が手塩にかけた施設であり、歴史的文書をきちんと保存する「公文書館法」制定の立役者であった。時を同じくして参議院議員を務めていた私の父・船田譲は、岩上先生の教えを請い、のちの栃木県知事時代に、地方自治体としてはかなり早く「文書館(もんじょかん)」を設立した。

 歴史的文書はその当時の歴史を研究する拠り所となるばかりか、未来に向けての羅針盤にもなるものだ。それらがきちんと整理され保存されているかどうかが、その国や地域の文化度や先進性を測るバロメーターといっても過言ではない。

 現在、福田富一栃木県知事のもとで、文書館、県立図書館、県立美術館の統合施設の整備が検討されている。いわゆる「文化と知の創造拠点整備構想」である。最近導入例が増えたPFI方式が検討されているが、隣県の歴史館に勝るとも劣らぬ、誇れる文書館機能が発揮されるよう、しっかりバックアップしていきたい。

[ 2026.03.02 ]