はじめのマイオピニオン - my opinion -
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高市総裁の誕生

 10月4日午後3時過ぎ、自民党本部8階のホールにおいて、手に汗握る自民党総裁選挙が実施された。石破総裁の辞任表明から約1ヶ月が経とうとしていた。私は地元栃木県から初の総理総裁を誕生させるべく、茂木候補の応援団に加わって来たが、残念ながら決戦に進むことはできなかった。

 決選投票は高市候補と小泉候補によって争われたが、私は若さと共に、自民党のより幅広い結集が可能と思われる小泉候補に投票した。しかしながら、党員投票で圧倒的な票を稼いだ高市氏が、議員投票でも小泉候補を僅かに上回る得票を獲得して、新総裁に選出された。

 当初は林候補や茂木候補に入れていた票が小泉候補に流れて、議員票で上回ると予想されていたが、党員投票の勢いが議員心理を動かした可能性がある。また決選投票の前に行われた2人の最後の訴えでは、小泉候補よりも高市候補の方が圧倒的に優れていたと評価された。

 いずれにしても自民党としては初の女性総裁であり、初の女性総理の可能性も極めて高い。男女平等指数でいつも後塵を拝していた日本が、ようやく世界標準になるかと言う期待はあるが、一方で高市総裁のこれまでの右寄りの言動に対して、少なからぬ懸念があることも否めない。

 女性天皇の可能性は遠くなり、選択的夫婦別姓制度についても、通称拡大でお茶を濁されるに違いない。憲法改正についても強硬な態度により、野党とりわけ立憲民主との話し合いも頓挫しかねない。長く連立を組んできた公明党との連携に不協和音が出ないとも限らず、野党の一部との新たな連立構想もなかなか展望が開けないかもしれない。

 戦い終わればノーサイドが自民党の習わしであり、我々は高市総裁のもとで一致結束しなければならないが、これまで保守中道の幅広い勢力を包摂してきた自民党が、頑なな保守によりその性質を変えてしまわないように、しっかりと監視していかなからばならない。

[ 2025.10.06 ]