はじめのマイオピニオン - my opinion -
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再びのトランプ旋風

 この夏バイデン大統領が選挙から撤退し、ハリス副大統領が民主党大統領候補になってから、ハリス優位の時期が続き、少し安心していたところ、終盤に来て俄かにトランプ候補が猛烈に追い上げ、獲得選挙人の過半数を獲得して、次期大統領に当選した。

 ハリス候補とは最後まで縺れると、多くのメディアが予想していたが、ペンシルベニアをはじめとする7つの激戦州でも全勝を獲得するなど、予想外にもすんなりトランプに決まってしまった。しかし女性初の大統領というプレッシャーや「ガラスの天井(ヒラリー・クリントン)」といわれた目に見えぬハンディキャップはあまり感じられなかった。

 これは物価高や貧富の差が拡大したとされるバイデン政権に対する国民の不満が、後継者たるハリス候補に被せられた感があり、気の毒な面も否定出来ない。「もしトラ」から「またトラ」になったわけで、各国政府は皆それぞれに準備したり身構えたりして来たが、ここに来て急に慌てている感は否めない。

 トランプ次期大統領が何をやるのか、前政権の時の言動を思い出せば、大体のことは見当がつく。中国をはじめ狙い撃ちの高額関税の発動、国境の壁の建設など厳しい移民対策、化石燃料の採掘増産など温暖化防止対策の逆回転など、枚挙に暇がない。さらにトランプ氏は何を言い出すか分からないという怖さがあり、むしろこれを武器として、内政でも外交でも、自分に有利なように妥協点を引き寄せる戦術を取るだろう。

 前のトランプ政権の時は、「ドナルド・シンゾウ」とも言われた故安倍総理や、名宰相と言われたメルケル氏が、G7などの場面でトランプに再考を促す場面も見られたが、今回はそれに匹敵する強いリーダーが見当たらない。しかし彼の暴走を食い止めるために、他のG7諸国が足並みを揃えて、トランプにもの申すシステムを早く作っておくべきだろう。

[ 2024.11.18 ]