10月27日衆議院総選挙の投開票が行われ、自民党は選挙前の247議席から191議席へと56議席減らし、立憲民主党が98議席から148議席へと50議席も増やした。2009年以来の歴史的大敗を喫してしまった。
理由は明白で、裏金問題に加えて2000万円党本部から非公認候補にも出してしまったことが発覚。この時は勢い逆風の強さが倍加した感じだった。この逆風は石破総理が自説を曲げて、早期解散に打って出たにもかかわらず、また非公認や重複立候補を認めないという厳しい処分をしたにも拘らず、決して止むことはなかった。しかし完全な逆転にはならず、首の皮一枚つながるという、絶妙なバランスを世論は選択した。
自公の連立与党は215議席で、過半数の233議席に届かず、非公認当選者や無所属当選者を加えても足りない。新たな政党との連立、閣外協力、あるいは部分連合を模索せざるを得なかった。白羽の矢が立ったのは国民民主党であり、そことの協議が続いている。まず政治改革関連では旧文通費の使途の明確化、政策活動費の廃止、会計監査に第三者遠入れること。政策的には103万円の収入の壁の引き上げ、ガソリンのトリガー条項凍結解除のいずれか、あるいは両方を認めざるを得ないだろう。財政出動圧力が高まることは避けられない。
自公と国民民主の合意の上に立って、まずは首班指名、さらに補正予算案、税制改正、来年度予算編成と、目白押しの協議と合意が必要となる。自民党はより一層謙虚でなければならなず、耳を傾けなければならない。出来れば部分連合からもう一歩進んで、閣外協力を構築出来ればそれに越したことはない。政治には継続性が大切なのだ。日本の政治的空白は近隣諸国に付け入る空きを与える。北朝鮮のICBM発射、中国艦船の領海侵犯、ロシア機の領空侵犯は日本政治の空白と無縁ではない。