はじめのマイオピニオン - my opinion -
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人工知能(AI)の進化

 世界各国は現在、人工知能(AI)の開発を巡り競い合っているが、そのような中、グーグル社のディープマインドチームが開発した「アルファ碁」と名付けられたAIが、世界最強と言われる韓国のプロ棋士を破ってしまった。 囲碁に比べて攻め手などが比較的定まっているチェスや将棋の世界では、既に最強の人間がAIに負けていたのだが、こんなに早く囲碁も征服されるとは、誰も予想できなかったようだ。

 囲碁は盤面のパターン認識が重要な要素になると言われているが、今回開発されたAIは、幾度となく経験を積み、パターン認識を自ら学習して、快挙⁈を成し遂げたようだ。AIの社会への応用は、車の自動運転にとどまらず、小説を書くなどあらゆる分野に好ましい影響をもたらすことが期待されている。

 しかし同時にAIが進化して行くと、ある時人間の能力を超えてしまうかもしれない。これを最近では「シンギュラリティ(技術的特異点)」と呼ぶようだが、現在の予想では2045年に訪れると言われている。昨今のAIの進歩の速さをみていると、2045年よりももっと早いかもしれない。

 シンギュラリティを迎えた人間社会ではどういうことが起こるだろうか。まずは人間が行っている仕事や作業の大半がAIに取って代わられることが考えられる。しかしAIに取って代えられない分野も少なからずあるのではないか。精神的な活動や芸術活動などは人間の本質に触れるものであり、人間の存在理由を確かめるためにも、絶対に残さなければならない分野だ。

 我々はそろそろ人間の活動とAIの活動を棲み分けを、真剣に考えなければならない時期を迎えている。

[ 2016.10.24 ]