日本は言うに及ばず、全世界で異常気象が猛威を奮っている。今年前半にはカナダやアメリカ西部で、旱魃により大規模な山林火災が続いた。ドイツやベルギーなど水害とは無縁と思われた西ヨーロッパでは、ライン川支流の氾濫により多くの犠牲者が出てしまった。いずれも極端な乾燥や豪雨がもたらした災害であり、地球温暖化の影響以外には考えられない。
WEF(世界経済フォーラム)の調査によると、産業革命時より平均1.5℃上昇する時期は、2018年の予測に比べて今は10年も早くなりそうだという。まさに地球温暖化が加速しているわけであり、今年英国グラスゴーで開催される気候変動条約COP26では、一昨年のマドリードCOP25よりも、各国はさらに意欲的なCO2削減目標を模索しなければならなくなった。
我が国でも2050年までにCO2排出実質ゼロ、すなわちカーボンニュートラルを実現することを約束したが、その前段階として2030年には2013年に比べて46%削減することを目指している。そのためには太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーを、電源構成で36〜38%に大幅に引き上げなければならない。今回の見通し前倒しにより、さらに上積み頑張って必要となるだろう。
そこで日本全国津々浦々でメガソーラー基地が建設され始め、風力発電所も陸上から海上へ重点が移りつつある。目標達成のためには開発を急がなければならないが、一方でそうした開発が皮肉にも、環境そのものを悪化させているケースも目立ち始めた。大規模なメガソーラー基地建設が森林伐採や土砂崩れの要因となったり、景勝地の景観が損なわれたりする可能性がある。私の選挙区の近くでも、由緒ある公園緑地を囲むようにソーラー基地計画が進められている。
再生可能エネルギーの確保は急務だが、一方で環境破壊にならないよう配慮が必要である。ソーラー基地や風力発電の巨大プロペラの開発許可が甘くならないよう、環境アセスメントをしっかり行うよう、国や自治体に働きかけなければならない。