ラグビーワールドカップ2019日本大会、各地で交流の輪が広がり、私も含むにわかファンも大いに盛り上がった。大会前はこれほどまでに盛り上がるとは予想していなかった。嬉しい誤算である。日本チームの挑戦はベスト8で終わったが、数多くの感動と教訓を与えてくれた。
一つは日本チームの多様性(ダイバーシティ)の強さである。ヘッドコーチはニュージーランド出身のジェイミー・ジョセフ氏である。選手31人全員が現在、日本のどこかのチームでプレーしているが、日本人は16人、外国籍15人うち帰化した選手はキャプテンのリーチ・マイケルはじめ3人という多様さである。国籍もトンガ、ニュージーランド、サモア、プレトリア、オーストラリア、南アフリカ、韓国となっている。彼らは皆日本に対する忠誠心を持っているが、試合の様々な局面で、多様な個性を発揮して、困難を乗り切って来た。多様性の強さは、今後人口の減少する日本社会をブレークスルーする手段になりうるのではないか?
もう一つは「ワンチーム」の強さである。これまで述べたような多様な個性を持った選手がいるということは、一方で、ともするとまとまりのない、バラバラのチームになりがちだ。そこをしっかり束ねて一つの目標に向けて、選手全員を動かしていくのは並大抵のことではないが、彼らはそれも年間で270日の合宿によって、さらにはヘッドコーチやキャプテンのリーチ・マイケルのリーダーシップによって成し遂げたのである。
この度のワールドカップ日本開催により、ラグビーというスポーツは完全にメジャーなスポーツになった。これを好機として、ラグビー人口の増加により選手層を厚くして、より高いところを目指してスクラムを組んでもらいたいものだ。