今年になってから、企業や団体から個人情報が漏洩する事案が多発している。サイバー攻撃によるものとされるが、最近の事例ではAIが関与したケースが急増しているという。近年の生成AIの進化には著しいものがあり、AIが勝手に外のシステムに入り込んだり、著作権などの知的財産を踏み躙ったり、AIが新しいAIを造るという自己増殖能力を獲得したりなど、懸念されるケースが増えてきている。
こうした中で学校現場での生成AIの利用のあり方、付き合い方が大変重要になってきている。以前に文科省が発表したガイドラインでは、
○AIはあくまで道具であり、AIを使うこと自体が目的ではない。
○教職員が業務の効率化を目指してAIを利用する時は、これを積極的に推進しなければならない。
○児童生徒の学習でのAIの利用にあたっては、学びを深めることを旨とし、抑制的に行わなければならない。
ということを述べていたが、既に児童・生徒・学生の間で7割以上が、日常的にAIに接しているという調査もあり、教育現場からはより具体的で、現実的なガイドラインの提示を求める声が高まっている。
例えば、
○生成AIによる生産物を鵜呑みにするのではなく、誤り、フェイクが含まれていることを前提として、検証作業を行わなければならない。
○児童生徒は、生成AIの力を借りて文章作成をしたとしても、学校への提出物はその丸写しでなく、必ず本人が手を加えたり吟味しなければならない。
○児童生徒は日々の学習において、安易に生成AIに解答を求めて思考のプロセスをスキップさせるのではなく、必ず自身の頭で考えることを前提としなければならない。
など、より具体的なガイドラインを教育現場は必要としている。
AI開発の大企業では、開発のスピードを緩める必要性を唱えるCEOが増えた。EUでは若年層のSNSアクセスを禁止したり、AIの無秩序な行動を抑える AI法の策定を模索している。しかし私たちの日常生活や学校現場には、既にそれは大きな位置を占めており、今後もその傾向は益々高まるだろう。
ならば私たちは、AI生成物を鵜呑みにせず、誤りがあるのではと検証することを心がけるべきである。AIに頼りすぎるのではなく、自分の頭でしっかり考えることを慣習にすべきである。いわゆる「AIリテラシー」なるものを日常生活や学校現場で普及しなければならない。