先日の国連において、世界地図の適切な利用を促すという画期的な決議が行われた。これまで主に使われていたメルカトル図法による世界地図は、方位は正しい(正角図法)が面積が実際とは違い、南北の高緯度の陸地が実物より大きくなる欠点があった。
メルカトル図法とは円筒の中に地球を入れ、その中心部から光を放ち、円筒に投影された形を平面にしたものだ。そうなると高緯度のグリーンランドがとても大きくなり、赤道にまたがるアフリカ大陸とほぼ同じになる。しかし実際はグリーンランドはアフリカの10分の一程度に過ぎない。
これに異を唱えたのはアフリカ諸国、とりわけトーゴの外務大臣である。赤道近くにあるアフリカ大陸が、他の先進地域に比べて小さく表現されており、その存在感や重要性が軽視されがちになるという主張だ。もっともなことで、国連加盟の国々もアメリカを除いて全会一致した。
一方今回提示された地図は「イコールアース図法」と呼ばれ、方位の正確性は損なわれるが、面積は正しく表現されている。アフリカ大陸に比べて、グリーンランドは10分の1以下になっている。法的拘束力はないが、イコールアースの使用が各国に推奨されることとなった。
本来、球体を平面図に移し替えるのだから、それぞれの図法にはメリット・デメリットがある。また歪み方も違う。方角が正しく表現されるもの、面積が正しく表現されるもの。2点間の距離が正しく表現されるものなど、その使用目的によって適切に選択する必要があるようだ。
たかが地図、されど地図である。大航海時代には不正確ながら、新大陸が表記されて冒険家の好奇心を否応なく揺すぶったり、領地を大きく書かせて、自己満足している王様がいたりした。地図により国のイメージは大きく変わる。今回の出来事はあらためて、地図の影響の大きさを知る機会となった。