8月末、ネパールの山中で巨大な土石流が発生し、谷や川を伝って100キロも下流まで到達したという。土石流というよりも「山津波」と言った方が当てはまりそうだ。9月3日現在で犠牲者は1,200名に上り、行方不明者も約5,000名と言われている。あらためて心からのお悔やみとお見舞いを申し上げたい。
原因はまだ特定できないが、ヒマラヤ山中の氷河が大規模に崩落し、それが氷河湖や堰き止め湖を一度に崩壊させたとも言われている。であれば地球温暖化の影響がここにも到達していたことになる。ネパール首相はこのことを受けて、「気候変動は世界全体がともに作り出した結果である以上、災害への対応もまた、世界全体が共同で負うべき責任だ」と述べた。とても重い言葉である。
世界は過去80年の間に平均で1.5℃気温が上昇したところ、氷河が存在する中緯度の高地や北極圏では、3℃から3.5℃上昇したという。温暖化の影響がそういうところにより強く出るということだ。氷河は世界のあちこちに存在する。だから今回のような大規模災害は、世界のどこにでも発生する危険がある。
トランプ米大統領は、地球温暖化の原因がCO2の増加によるというのはまやかしであると断じ、パリ協定から脱退した。しかし明らかに温暖化が原因で、これだけの大災害が起きたのだから、考え直してもらわなければ困る。
翻って日本国内でも、100年に一度あるかないかの水害に見舞われている。栃木県足利市、千葉県、北陸3県、青森県など、あらゆるところで線状降水帯が発生して、被害が発生している。我々はこの事実を踏まえて、もっと危機感を持って温暖化対策に取り組まなければならない。