はじめのマイオピニオン - my opinion -
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81回目の終戦記念日を迎えて

 今年も祈りの季節がやって来た。8月6日の広島、9日の長崎、15日の終戦記念日、さらには激しい空襲に襲われた、各都市ごとの慰霊の祈りが続く。こうした中、旧ソ連による満州での日本兵連れ去りや、北方領土の占領も記憶に残る。こともあろうに先日、プーチン・ロシア大統領が初めて北方領土の択捉島を訪問し、日本人の心を傷つけてしまった。

 我々はあらためて不戦の誓いと、世界の恒久平和を祈願することを怠ってはならないが、一方でロシアのウクライナ侵略、ガザ地区やレバノンでの戦い、米イランの紛争、さらには中国の海洋進出など、様々な争いや緊張状態が続出する世界を見せつけられる。この現実も見るにつけ、ただ平和を唱えるだけでは真の平和は訪れず、確かな備えをしなければならないと、あらためて肝に銘じなければならない。

 いま我が国では、防衛装備品の輸出規制緩和、防衛3文書の改訂や、国旗損壊罪の新設、皇室典範の改正が進められている。防衛文書については、世界秩序の急激な変化や、無人機の台頭、AIによる戦い方の変化など、アップデートする必要は当然である。しかし現実的に平和を守る手段を強めることとは別に、戦前への回帰とも受け止められる「空気」が政府与党内に読み取れることには、特に注意を払わなければならない。

 国旗を尊重することは当然であり、それを損壊する行為は糾弾されるべきだが、罰則を付与することには、人々の心の内面を規制することにもつながる。戦前の日本人が精神面も含めて、時の政府や軍部にコントロールされたという苦い歴史を想起させる。

 皇室典範の改正については、以前のオピニオンで触れたから多くは語らないが、政府が皇統を男系男子にこだわることにより、国民世論や国民の総意との間に、大きなギャップが生じていることを懸念する。また改正に関する議論の中で、与党幹部が「今年は皇紀2686年でもあり…」と述べ、歴史的事実とは認められていない神武天皇の存在に言及して、天皇制を政治的に利用した戦前の「空気」を感じてしまうのである。

 大切なことは、冷静に積み上げて来ている現実的な防衛の議論と、戦前回帰もありではないかという「空気」が混ざり合ってはならないということだ。あの悲惨な戦争の原因や反省をしっかりと踏まえ、冷静に防衛の議論を進めることが、いま最も求められているのだと思う。

[ 2026.08.17 ]