はじめのマイオピニオン - my opinion -
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国会呼び出し、お前もか!

 去る3月13日、国の来年度予算案が衆議院本会議を可決通過した。通常国会冒頭での突然の解散総選挙があり、予算審議が大幅に遅れていた。しかし高市内閣の意を受けた与党は、年度内成立を目指して、予算委員会の審議時間を大幅に短縮した。

 暫定予算は新しい政策を前に進めるには都合が悪く、年度内予算成立に越したことはないが、もう少し丁寧な審議が行われないと、議会審議の形骸化を招く恐れがある。

 ところで予算案を採決する際は、いわゆる「記名採決」という方法を取る。賛成議員は白い札、反対議員は青い(実際は緑色)札を持って登壇し、議長の前の投票箱に入れる。誰が賛成で誰が反対かを明確にするためである。

 この時に投票を求めるため、順次議員名が呼ばれる「呼び出し」が国会職員から行われる。ところが本日からこの呼び出しが、AIが作った音声によることとなった。既にNHKの定時ニュースでは、AI音声による記事の読み上げが行われているが、国会の歴史始まって以来の出来事に、本会議場ではどよめきが起こった。

 国会職員の負担の軽減、あるいは読み間違いの防止のためというが、「国会よ、お前もか!」という気持ちになり、何とも味気ない。時代の流れで仕方ないのかも知れない。ところがAIの読み上げは文字通り機械的で、投票のスピードを考えていないため、投票する議員が演壇の下に溜まってしまった。

 実は職員によるナマの呼び出しは、投票の列の長さを見ながら、呼び方のスピードを微妙に調整していたのである。多くの場合、議員が滞留しないでスムーズに投票出来たのである。目立たないことだが、まさに職人芸とも言えるものではないか。

 このような職人芸もいずれAIが学んでいくのだろうが、しばらくは様々な場面での職人芸を守っていく必要があるのではないだろうか。

[ 2026.03.16 ]