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H3ロケット、またもや失敗

 まもなく年末を迎え、今年も大団円、有終の美を飾ろうかと思っていた矢先、我が国の主力ロケットH3が12月22日に打ち上げられたが、衛星の軌道投入に失敗するというニュースが舞い込み、画竜点睛を欠く年末になってしまった。

 これまでの我が国の主力ロケットH2aは、50機のうち6号機だけが失敗だったので、打ち上げ成功率はなんと98%にも達していた。世界のロケット市場でも信頼度は高かった。ならばこのまま続けても良いのではと思うが、コストが高すぎてロケットビジネスに遅れを来たす恐れがあり、我が国の技術を結集してコストを抑えつつ、打ち上げ重量を増やす改良を加えたのがH3である。

 H3は初号機で失敗したが、2号機から7号機までの5回連続で成功(6号機は方法を変えて計画中)したが、今回の8号機では2段目ロケットの燃焼時間が規定に満たず、順天頂衛星「みちびき」を軌道に投入できなかった。みちびきは日本版GPS遠完成させる一部を担う衛星で、システム完成に遅れが出るほか、国際宇宙ステーションに物資を運ぶこうのとり計画にも穴が空いてしまう。将来の月探査を目指すNASAのアルテミス計画や、ゲートウェイ構想を補完する役割も遅れてしまう。

 H3の成功率は7機中5機の71%であり、これではコストを下げたとしても、到底ビジネスには結びつかない。H3初号機の際も第二段ロケットが点火しなかったが、今回も二段目の燃焼に不具合があったようだ。初号機失敗の後の自民党調査会で、文科省の担当局長が「緊張感を持って事にあたる」と言った時、私はすかさず「緊張感というよりも、悲壮感を持って当たれ」と檄を飛ばしたことを思い出した。今回も同じ言葉を発しなければなるまい。

 私は自民党内に置かれた科学技術イノベーション戦略調査会の、基本問題小委員会代表を務める。主に我が国の基礎研究の進展を後押ししているが、この分野では「失敗を恐れない」ことが重要視される。しかしJAXAという大きな組織による挑戦や、国家プロジェクトのレベルになると、「失敗してはならない」という要素が強くなることは当然だ。是非悲壮感を持って原因究明と再発防止に邁進してほしい。

[ 2025.12.29 ]