はじめのマイオピニオン - my opinion -
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地球温暖化防止の苦労

 今年の夏も連日の猛暑日で、庭の草木も人間も相当参ってしまっている。一方で東北や九州では線上降水帯がひっきりなしに発生し、大きな被害も発生している。これまでは30年に一度起こるか起こらないかの現象を「異常気象」の一言で片付けてきたが、今やこれまでに経験したことのない現象に直面しており、我々は新しいステージの「異常気象」に苛まれている。

 数億年単位で地球の気温の歴史を辿ると、比較的寒い氷河期と暖かい間氷期が、数万年間隔で交互にやって来ている。今回の暑い地球も一種の間氷期なのかも知らないが、気温の上がり方のスピードが、明らかに過去の自然な上がり方ではない。当然に人的な要因、即ち二酸化炭素やメタンやフロンなどの温室効果ガスの濃度の高まりが原因であることは論を待たない。

 世界各国はこのことに気づき、気候変動枠組条約・締約国会議(COP)を立ち上げ、リオ宣言、京都議定書、パリ協定などの取り決めにより、各国がCO2削減に取り組んでいる。しかし国によりその取り組みにはばらつきがあり、最大の排出国アメリカに至っては、その努力を無にするような行為に及ぼうとしている。

 国レベルだけでなく、市民一人ひとりの排出削減努力も叫ばれている。その積み重ねが温暖化防止に役立っているという指摘の反面、このような積み重ねは大した力にならず、努力は徒労に帰してしまうという指摘もある。確かに国レベルで温暖化ガスの排出を一挙に止めてしまうような大発明がなければ、この事態を打開することは不可能かも知れない。

 しかし我々はそれをただひたすら待つのではなく、一人ひとりの行動や努力が、国家的大発明を産むきっかけになると考えるべきではないだろうか。記録的な暑さの中で考えられることは、この程度かも知れないが。

[ 2025.08.25 ]