はじめのマイオピニオン - my opinion -
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公益通報者保護制度の充実に向けて

 この制度は企業や団体・組織において、社会的にマイナスの影響を及ぼす恐れのある行為や状態を、上層部や外部に通報しようとする、または通報した内部の人間を保護し、もって公益を損なうことのない状況を作る目的を持っている。

 具体的には。従業員300人以上の企業団体には、通報先の窓口を設置しなければならず、また通報者の立場を擁護することが求められる。しかし最近でも偽の損害保険請求のあったビッグモーター(当時)は窓口すら設置せず、また自動車メーカーの中には、検査の不正に関する内部通報を揉み消してしまうような動きがあった。制度はあってもうまくワークしない状態にある。

 そこで所管の消費者庁と、私が会長を務める自民党消費者問題調査会において、より実効性のある制度に強化する法修正を決定した。

 具体的には、
①通報窓口を適切に設置していない者に対して、行政が命令権を持ち、命令違反者に刑事罰を導入する。
②公益通報者の範囲に、社員のみならずフリーランスも加える。また公務員にも適用する。
③公益通報を妨げる行為や、公益通報者の探索を禁止する。
④公益通報を理由とする解雇や懲戒に対する刑事罰を導入する。

 一方、今後検討すべき課題として、虚偽の通報やその濫用についてや、企業で広く行われている配置転換が公益通報を理由とした不利益に当たるかどうかなどについては、にわかには結論が出せないため、調査や検討を加えることとした。

 これらの法改正により、公益通報制度がきちんと機能して、社会の公益が守られることは言うまでもなく、企業や団体のコンプライアンスが改善する効果が期待される。

[ 2025.02.24 ]