はじめのマイオピニオン - my opinion -
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米大統領選、民主党の巻き返しなるか?

 人間万事塞翁が馬、禍福は糾える縄の如し。
これはかつての中選挙区時代、同じ選挙区で闘い、しかしながら尊敬していた故渡辺美智雄先生が、生前よく引用していた格言である。我が国の政治でもこの様な事態はままあったが、今回のアメリカ民主党の大統領候補が、バイデン氏からカマラ・ハリス氏に急遽代わったのも、まさにこの典型である。

 81歳から59歳に急に若返ったばかりか、もしハリス候補が大統領になれば、アメリカ政治史上初の女性大統領であり、インド系アジア人、アフリカ系黒人という、マイノリティの塊の様な出自を持つ大統領になる。銃撃事件で英雄になったトランプ前大統領からすれば、まさに青天の霹靂、攻守逆転しかねない事態だ。

 確かにこれまでのハリス副大統領には、不法移民の流入を防ぐための有効な手段を講じなかったことなど、あまり芳しい評価はなかった。しかしバイデン氏からの大転換で、俄かに注目度と期待度が上昇し、トランプ人気に匹敵する様になってきた。まさに「人間万事塞翁が馬」のアメリカ版ではないか。

 先週の私のコーナーでは、「政治は時として熱狂が付き物だが、熱狂を主役にしてはならない」という言葉で締め括った。しかしトランプ再来の事態を防ぐには、もう一つの熱狂で対抗する必要があるのかもしれない。

[ 2024.07.29 ]