はじめのマイオピニオン - my opinion -
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機能性表示食品制度の見直しについて

 小林製薬が機能性表示食品として売り出していた、紅麹コレステヘルプというサプリメント摂取により、これまでに5人が亡くなり、数百人という方々が入院されるという健康被害が発生した。 
 原因は紅麹に混入していた青カビ成分のプベルル酸かと思われるが、他に未知の物質も見つかっており、まだ原因が特定できていない。しかし私が会長を務める自民党消費者問題調査会は厚生労働部会とともに、機能性表示食品による健康被害の再発防止策を取りまとめ、政府に提言することとなった。
 この制度は数多の健康食品の中で、事業者が効能や安全性を付記した書類を消費者庁に届け出るものであり、消費者の健康ニーズに応え、適切な情報提供を行うメリットがあるが、医薬品やトクホよりも当局によるチェックは弱い。
 この度の見直しは消費者問題調査会と厚労部会が合同で行い、本日官房長官宛の提言をまとめた。その肝は、機能性表示食品という制度は存続させるものの、これまでのガイドライン行政から法令に基づく行政に転換し、安全性についてより厳しくチェックすることである。
 具体的にはまず、医師が被害を確認して事業者に届け出た場合、速やかに消費者庁や保健所に報告すること。また被害が拡大する恐れがあるときなどは、消費者庁は公表することなどをルール化して、遵守要件とする。
 事業者は既に届け出た食品について定期的に自己チェックし、その結果を消費者庁ウェッブサイトに載せることを遵守要件とする。新規成分については消費者庁が医師や薬剤師から意見を聞き、その安全性などを確認すること盛付け加えた。
 サプリメント形状の食品については適正製造規範(GMP)したがって製造するよう、経過措置を設けて遵守要件とする。また製品のパッケージ表示には、治療を目的としたものではないこと、薬ではないこと、薬との飲み合わせや過剰摂取についての注意事項を記載すること
を遵守要件とした。
 以上のそれぞれの遵守要件を満たさない場合は、事業者はその製品を機能性表示食品として販売することはできないという、厳しいルールを導入することとした。
 この措置により、この度のような健康被害が2度と起こらないように、政府に対して提言を行うこととした。政府にはこれに基づいて、法律改正や政省令によって対処することを期待している。

[ 2024.05.20 ]