能登半島を震度7の激震が襲ってから、1ヶ月が過ぎた。240名という尊い命が奪われ、まだ1万4千人以上の方々が不自由な避難生活を送っている。民間ボランティアの皆さんも、ようやく被災地に入れるようになった。ライフラインも電気は9割以上回復したが、水道はまだ7割にも達していない。

　こうした中私ども作新学院は、学校挙げて被災地支援募金活動を続けているが、特に高校吹奏楽部は震源地に近かった珠洲市との交流を、支援に繋げようとしている。実はかつて珠洲市にあった石川県立珠洲実業高校には、有力な吹奏楽部があり、真っ赤なユニフォームを作っていた。13年前にこの高校が近隣の飯田高校に吸収合併されたため、吹奏楽部も廃部となり、ユニフォームも倉庫に保管されたままだった。

　ところが5年前に同部のOBたちが、「ユニフォームを使わないのはもったいない、是非作新学院高校吹奏楽部に寄贈したい」という申し出を受け、80着もの真っ赤なユニフォームをいただくことになった。コロナ禍のためにしばらくお披露目ができなかった。今回あらためて珠洲実業高校のユニフォームを着て、チャリティ演奏会を開催する運びとなった。

　吹奏楽部の生徒たちも、使命感を持って明日のコンサートに参加してくれるはずだ。皆さんのご協力を心からお願いしたい。