はじめのマイオピニオン - my opinion -
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エッセンシャルワーカーの処遇改善

 昨年来民間企業では、足元の物価高の対応もあり、賃上げの大合唱が起こっている。最低賃金水準も大幅にアップすることとなった。ただ賃上げの中心は大企業に限られ、政府の掛け声や企業減税策にも拘らず、中小企業、小規模企業にはなかなか浸透しない。さらにエッセンシャルワーカーと呼ばれる職種にも、賃上げの恩恵が及んで来なかった。

 エッセンシャルワーカーと呼ばれる職種には、看護師や理学療法士などの医療関係者や、介護士、保育士、福祉士などの介護福祉関係者が含まれているが、彼らの給与は公定価格の範囲内で決まってくる。特に介護士や保育士は厳しい仕事にも拘らず、一般企業の従業員の給与水準から相当遅れをとっており、離職者が増え続けている。

 しかしながら彼らはコロナ禍の中でも、コロナ罹患者を直接ケアしたり、対面の活動が欠かせなかった。どんなに厳しい感染防止手段を施しても、罹患してしまうケースが後を絶たず、さらには世間から白い目で見られてしまう時もあった。その一方で、彼らの働きに敬意を表するため、東京都心にブルーインパルスを飛ばしたことも記憶に新しい。

 コロナ禍を経て、彼らの存在の大切さや不可欠さは、多くの国民の意識に上るようになったが、今回はようやく処遇改善という具体的な形で、不十分ながら支援する態勢が整った。

 この度の令和6年度政府予算案において、医療の診療報酬は本体で0.88%、介護報酬は1.59%、障害福祉関係は1.12%のアップとなり、これに伴い看護師、介護士、保育士、福祉士などの職種では2.1%から2.5%ほどの給与アップが期待される。

 この後は、それぞれの現場がきちんと機能していくためにも、病院・診療所や老人福祉施設などが、公定価格増額に見合った処遇改善を実現することが肝心である。そのためにも政府、地方自治体、そして皆で監視していかなければならない。

[ 2023.12.25 ]