はじめのマイオピニオン - my opinion -
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中学生の主張コンクールにて

 作新学院では昭和28年から作新学院長杯・中学生の主張コンクールを続けている。今年も県内の中学校から8名の中学生発表者を迎えて、賑々しく開催された。長い歴史の中で、新型コロナウイルスの影響は、やはり大きなものだった。そのため参加者は少し減っているが、皆とても聴き応えのある主張だったため安心した。

 最近の世相を反映してか、マスク着用に関する同調圧力の問題を取り上げ、これがいじめの原因になるのではないかと考察する主張があった。LGBTQの問題を人ごとと考えず、性的マイノリティの存在を認めること、自分とは異なる存在に対する理解の大切さを述べる生徒さんもいた。今回はダイバーシティ(多様性)を大切にする考え方をテーマとする主張が多かったように思う。

 私からも挨拶で次のような問題提起をした。最近改訂された学習指導要領には「探求」の2文字が多く登場しているが、自分の頭でよく考える、クラスメイトたちと議論しながらものごとを考えたり、問題を解決したりすることが、これからの授業の主流になるのではないかと述べた。

 さらに、世の中の問題には解答が一つではなく複数あったり、そもそも解答がなかったりするケースが多いこと。またそこに至るまでの手段やルートがいくつもあることを指摘した。探求する態度は、これらの問題に接し、解決する時にとても大切なものではないかと。

 また探求する能力を養うためには、自ら本を読み、新聞を読んで、先人は何を考えていたのか、なぜ世の中で様々な現象が起きるのか、常に自分の頭で考える訓練が大事であることや、色々なことに挑戦して、色々な経験をすることも、探求学習を進める上でとても役立つことを述べた。

 中学生の皆さんには、この度主張された考え方、しなやかで多様な価値観を持った心を、どうかこれからも待ち続けてもらいたいと、心から願わずにはいられない。

[ 2023.10.30 ]