はじめのマイオピニオン - my opinion -
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ビッグモーター事件に思う

 最近の話題はなんといってもビッグモーターをめぐる事案である。まだ全容解明には至っていないが、同社の板金・塗装部門において、故意に車体に傷をつけ、自動車保険の不正請求を日常的に繰り返していたという。損保各社からも同社に多数の社員が派遣されており、まさかとは思うが、この不正に加担したか、容認していたのではという憶測も流れている。事実でないことを祈るばかりだ。

 テレビでは同社の整備員が、ドライバーで傷をつけるばかりか、タイヤに釘を刺してパンクさせたり、靴下にゴルフボールを入れて振り回し、車体を凹ませたりと、衝撃的な動画が流れている。良心を持った社員が隠し撮りしたものか、傷つけ方を指南するビデオなのかは定かではない。しかし明らかに常軌を逸していることは間違いない。

 ビッグモーターを一代で築き上げた創業社長が記者会見し、一通りの謝罪を述べたが、「一切知らなかった」と他人事のような態度に、社会の反発は頂点に達した。報道のように大規模にこのような不正が行われていれば、トップまで情報が伝えられていないはずはない。むしろ「利益を上げるためには手段を選ぶな」という企業風土を作ったのは、創業者そのものではなかったか。

 このような行為がかなり以前から行われているとしたら、社内のどこかから外部に通報されてもよかったのではないか。社内に恐怖政治が蔓延していて、とても通報できる雰囲気ではなかったかも知れない。しかし良識を持った社員も少なからず存在しているはずだし、「公益通報者保護法」によって、外部通報者の身分や身辺の安全は守られることになっている。

 この法律も施行17年を迎えたが、これまでに適用例は数件に過ぎなかった。そこで数年前に改正してより使いやすくしたはずだが、今回の事案も含めてなかなか発動されないのは残念である。しょっちゅう発動されるのも問題だが、今後適切に利用され、不祥事の未然防止や被害拡大に効果が現れることを期待してやまない。

[ 2023.07.31 ]