はじめのマイオピニオン - my opinion -
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ステルスマーケティングとは

 「ステルスマーケティング」とは耳慣れない言葉だが、広告記事と気付かれずに、消費者の購買心理を高める宣伝手法である。「ステマ」とも略されるが、かつては映画フィルムの1コマにレモネードの画像を忍び込ませ、見た目には分からないけれど、映画鑑賞後はレモネードが無性に欲しくなるような宣伝手法があった。今ではレーダーに映りにくい戦闘機を「ステルス戦闘機」と呼んでいる。

 昨今のステマは芸能人やインフルエンサーを登場させ、宣伝や「やらせ」と気付かれないようにして、商品などの優良性や有効性を消費者に植え付ける手法が数多く取られている。登場人物には報酬が支払われることが多い。

 この効果は「バンドワゴン効果」と呼ばれ、パレードの先頭で人々の関心を呼ぶためのワゴンに喩えられる。経済学的には、より多く消費される商品はさらに良く売れるようになる現象であり、政治学的には、選挙で勝てそうだと言われた候補に票が流れる、いわゆる「勝ち馬に乗る」現象である。

 この「ステルスマーケティング」を業として反復して行う行為は、消費者の健全な購買意欲を歪めることに繋がり、極端にいえば「詐欺行為」とも言える。多くは詐欺行為までには至らないだろうが、類似の行為が蔓延することは健全な市場とは言えない。既に欧米ではステマを禁止する法律が存在するが、まだ日本では直接罰する法律はない。

 そこで消費者庁は有識者検討会を設置して、昨年12月末に規制強化を求める提言を取りまとめた。現在の景品表示法の不当表示に、「事業者による商品・サービスの表示であることを消費者が判別するのが困難であるもの」を追加し、違反した場合は広告主を行政処分の対象とすることを主眼としている。

 私が会長を務める自民党消費者問題調査会においてもこれまで度々議論されたきたが、いよいよ本格的に取り組む段階となった。現在でもこの種の広告とそれによる被害が発生しており、出来るだけ速やかに法律改正を実現して、健全な広告市場を取り戻したい。

[ 2023.01.16 ]