はじめのマイオピニオン - my opinion -
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コロナ禍で伝統を引き継ぐ難しさ

 3年も続いているコロナ感染症蔓延のために、地域のお祭りや伝統行事、各種イベントが2年も3年も中止や延期の憂き目を見てしまった。祭りや伝統行事には長年にわたり、多くの人々の汗と努力で続けられてきたものが多い。ようやくコロナも落ち着いて来たので、この秋から再開する祭りやイベントも増えて来た。

 ところで祭りは毎年実施すれば、人の手配や段取りもうまく引き継がれるのだが、2回、3回とあいだが空いてしまうと、引き継ぎが難しくなる。祭りの段取りは大小を問わず、とても複雑で人々のチームプレーが求められる。例えば神輿の担ぎ手は町内だけでは足りず、広く助っ人を募って凌いでいるのが現状だ。3年も声がかからないと、集めるのにとても苦労する。

 したがって規模を縮小しても、何とか続けることが大切だ。もちろん祭りは人と人の距離が近くなり、感染の危険が増してしまう。久しぶりにある伝統芸能を催行したところ、100人以上の感染者を出してしまったという例もある。当面はさまざまな感染予防策を工夫をしながら、催行することが大切である。

 祭りや伝統行事はそれぞれの地域の公共財であり、地域社会のインフラと言っても言い過ぎではない。これを守ることに公の補助を行うことは許されるべきである。文化庁では様々な支援メニューを用意しているが、高い価値のあるものを対象とし、また内容も後継者育成が中心である。

 一般財団法人地域活性化センターは事業そのものに支援を行っているが、対象も限定され、支援金額も多くはない。最後の頼りは自治体だが、各町内のお祭り全てを対象にすることは到底出来ない。祭りは地域社会の絆を強めるための公共財である。公共事業にかかるお金を考えれば、少しそちらに回してもバチは当たるまい。

[ 2022.10.31 ]