はじめのマイオピニオン - my opinion -
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衆議院比例代表の定年制は守るべきだ

 衆議院議員選挙が近づくと必ずと言っていいほど、候補者の定年延長論が再燃する。自民党は小泉純一郎総裁の時から、73歳以上は比例代表選挙に立候補出来ないと定めてきた。73歳以上は小選挙区に出られても、比例代表との重複は出来ず、復活当選というセーフティネットは無くなる。

 私も現在67歳なので、もし議員を続けることをお許しいただけるならば、あと6年で重複立候補は出来なくなる。私はかつて重複なしで一度立候補した経験がある。当時の新進党を離党した直後の平成8年秋の衆議院総選挙であり、小選挙区制で初めての選挙だった。無所属のため比例名簿搭載は叶わず、小選挙区で負ければサドン・デス。しかもポスターや法定ビラの枚数も大幅に制限された。しかし重複立候補が出来ない、選挙グッズも制限されるという危機感から、かえって陣営が引き締まり、圧勝できたことも事実である。

 定年制問題については、自民党の中は真っ二つに分かれている。青年局をはじめとする若手は定年制の延長や撤廃に反対、長老は賛成と主張している。典型的な世代間戦争である。確かに私は長老の部類に入るが、結論からすれば青年局側に軍配を挙げたい。

 理由はいくらでもあるが、まず世の中が加速度的変化しており、この変化に適切に対応していくには、若く柔軟な頭と行動力が必要だからだ。長老が支配するような政治は、やはり変化に対応出来ない。若手がどんどん活躍できるように、長老は徐々に席を譲るべきである。またベテランであれば比例復活に頼らないで、堂々と小選挙区で勝負すればいいではないか。それだけの蓄積があるはずなのだから。

 ベテラン側の言い分として、「余人を持って代え難い」と言うが、これだけ人材豊富な自民党だから当然若い人々の中から長老にとって代わる人物は必ずいるはずであるし、育てる責務がある。また「困難な時代こそ経験豊富なベテラン議員が必要になってくる」は一面的な理屈であり、困難な時代こそ、若くて柔軟な発想を持った人たちが事態を打開することが可能だし、打開すべきである。

 さらに「長く議員をやればやるほどやりたい仕事が増えてくる」というのも勝手な理屈だ。確かに政策の深掘りや、多様な分野の仕事に頭を突っ込めるのはベテランの特権だが、それが常に国民生活の向上に役立つとは限らない。またその仕事が現職の議員の立場でなければ出来ない訳でもないし、後輩の現職議員にバトンタッチすれば済むことではないか。

 私は衆議院比例代表選挙、73歳定年制に従うつもりである。

[ 2021.07.05 ]