はじめのマイオピニオン - my opinion -
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消費者志向経営とは

 私が8年余会長を預かっている自民党消費者問題調査会は、2009年に発足した若い消費者庁の応援団としてその役割を果たしてきた。この度は、その中に新たな勉強会を立ち上げ、中長期的な視点に立って消費者行政の在り方を探ることとした。

 これまでの消費者行政の主流は、消費者と事業者の立場を対立するものと捉えていた。さらに従来の自民党のスタンスが事業者寄りだったことを反省して、まだまだ十分とは言えないが消費者の立場を重視する方向に修正してきた。それに対して今度の勉強会では、消費者と事業者が対立するものではなく、お互いに「協働」するという新たな考え方を打ち出そうとするものである。

 具体的にはまず企業の「消費者志向経営」を普及させることである。これまでの事業者の多くは自分の都合による商品生産に終始して来たが、これからは消費者の目線で、消費者が便利で使いやすい商品を生産販売することが企業に求められる。

 一方の消費者も、ただ言いなりに購入消費するのではなく、国連SDGsや環境に配慮した商品、発展途上国ので経済に寄与する商品を好んで購入すること。あるいは人種差別や児童労働の結果として生産された商品は買わないようにするなど、フェアな社会への貢献を意識した「かしこい消費」「エシカル消費」に心掛けることが重要になってきた。

 事業者と消費者のこのような新たな動きが絡み合い、好循環を発生させることにより、より満足度が高く、人々に優しい、持続可能な消費社会が生まれるのではないか。

 さらに勉強会としては、サスティナブル・ファッション、食品ロスとフードバンクや子ども食堂との結びつきなど、消費者を巻き込んだ新たな社会運動の動向を調査して、かしこい消費生活をリードしていける消費者行政を模索していきたい。

[ 2021.06.21 ]