既に1月8日に一都三県に再発令された緊急事態宣言の対象地域が、13日栃木県を含む7府県に拡大された。栃木県では1日の新規感染者数が、昨年12月中旬までは数10人であったものが、年末年始に100人を超えはじめ、医療提供体制もかなり逼迫しはじめた。
宣言発令の条件である6つの指標のうち10万人あたりの新規感染者数と療養者数がステージ4、その他の項目もステージ4に近い3を示しており、栃木県知事から内閣府に対象拡大の要請を行った結果、大阪・愛知を含む第2陣に認定された。加藤官房長官、西村経済再生担当大臣には私からも本県の窮状を訴え、専門家の意見も聞きながら決定された。
緊急事態宣言のもとでは、
①飲食店などでの営業時間の20:00までの短縮
②20:00以降の県民の不要不急の外出自粛
③イベントなどにおける入場人員を、定員の半分かつ5000人以下に限定
④テレワークなどで職場の出勤者を7割削減
がそれぞれ要請され、特に①については違反者について店舗名を公表出来る一方、協力金として6万円/日が支給される。
これまで首都圏に隣接していながら、北関東の中でも感染者数が比較的抑えられていた栃木県で、なぜ急激に増加してしまったのだろうか。考えられるのは首都圏との人的往来の多さもさることながら、昨年来うまく押さえ込まれていたために、県民の間に気持ちに緩みを生じていた可能性が高い。
特に飲食を伴う会食による感染のケースが増加しており、無症状や軽い症状の若年者から、家庭内に持ち込まれるケースが多いようだ。若年者の不用意な行動から高齢者、基礎疾患のある方、さらには受験生に感染すると、取り返しのつかないことになる。
緊急事態宣言の元では、感染防止を行政に任せるだけでなく、一人ひとりが感染防止に細心の注意を払い、偏見や誹謗中傷することなくお互いに声をかけあい、まさに「行動変容」を実現することが極めて重要である。大切な人を悲しませないためにも、節度ある行動を切にお願いしなければならない。