最近党幹部から臨時国会召集後即解散、あるいは早期解散への言及が目立っているが、私は反対である。菅内閣支持率が6割から7割、自民党支持率も5割を超えているため、解散の誘惑にかられるのは無理もない。またリーマンショックの対応で麻生内閣が解散を1年見送ったため、自民党惨敗で政権交代を許したという苦い経験、トラウマも癒えていない。
しかし新型コロナウイルス感染症の猛威が収まらない今、解散のタイミングが窮屈とは言われるものの、任期満了までまだ1年もあるのに、敢えて解散に打って出て感染を拡大したら、誰が責任を取るというのか。必死に拡大や重症化を防いでいる医療従事者からは、到底理解できない所業ではないだろうか。
感染を防ぎながら選挙をやるとなると、様々な制限がかかることは必至である。集会で直接有権者に接触する機会が減れば、民意を十分に汲み取ることは難しい。代わりにマスコミからの情報が幅を効かせ、投票結果に大きな影響を与えかねない。
菅内閣としても、ご祝儀相場にのみ頼っての解散は本意ではないのではないか。「国民のために働く内閣」を標榜し、本格政権を目指すのであれば、コロナ感染を安心できる程度に押さえ込み、なおかつ経済復興やデジタル改革、行政改革などで一定の仕事をして、一定の成果が出たところで、堂々と国民に信を問うべきなのではないか。