先日は都内板橋区にあるナショナル・トレーニング・センター(NTC)の設立10周年の式典に出席してきた。昔からある西が丘サッカー場に隣接した広い土地に、最先端のトレーニング施設を備えた巨大な建物が立つ。我が国のスポーツ全般を司る日本スポーツ振興センターが保有し、運用主体はJOCにある。
いうまでもなく日本のトップアスリートたちが、オリンピックや世界大会で好成績を収めるためという、明確な目的を持っている。ネーミングライツを獲得した味の素が長年サポートしていることも、周知の事実である。我が作新学院高校の卒業生である萩野公介君も、しばしばここで泳ぎ込みを行なっている。
NTCが本格稼働を始めてから、確かに日本選手のメダル獲得数は飛躍的に伸びており、その効果を十分に発揮しているといえよう。しかしもう一つ見えない部分で、競技力アップにより大きな効果を出している部門がある。それがサポートセンターである。
NTCがオリンピックやパラリンピックの競技会場に近いところに、サポートセンターを設置し、トレーニング環境を整えたり、体調管理のためのメディカルスタッフ、さらには栄養士を投入して、日本にいる時とほとんど変わらない環境を作ってきた。選手たちはこれによって、万全の体調とリラックスした気持ちで試合に臨むことが出来ているらしい。
これらを運営するにはかなりの費用がかかるが、日本人選手が金メダルを取ったことによる効果は極めて大きく、実に勇気づけられるばかりか、その競技の愛好者も飛躍的に増えることとなる。費用よりも効果が勝ることは、火を見るよりも明らかだ。
平昌オリンピックの後はいよいよ東京オリパラである。トップアスリートたちはもちろんのこと、NTCも正念場を迎えようとしている。