私たちが想像している以上に、車の自動運転の技術は進化を続けているようだ。日本でもトヨタ、日産、ホンダをはじめ各社が先を争って過熱気味でもある。Googleやyahoo!といったITソフト会社なども、車メーカーとは違った手法で積極的に開発を進めている。
もちろん現在は、自動ブレーキや車間距離を保つシステム、車線をキープする技術、駐車動作のアシストなど、まだまだ完全な自動運転には距離がある。しかしやがては、ハンドルやアクセルブレーキ操作をせずに、運転手が席に座っている段階、そして運転手なしで走行する段階に至るのは、それほど遠くないといわれている。
自動運転には主に2つの流れがあるという。1つは道路や関連設備から車に情報を伝え、車がそれを読み取りながら走行する方法である。もうひとつは車自体が考えながら、適切なドライビングを選んで行く方法だ。後者の方がよりAI(人工知能)に頼る部分が大きい。
私はこれまで45年間、安全運転に心掛けて車を運転してきたが、ここまで自動運転が身近に迫ってくるとは予想していなかった。確かに自動運転になったら、これほど楽なことはないだろう。また体力が衰え運転出来なくなっても、このシステムに委ねれば何処へでも行ける。
ただ私はこれまで、自分で運転することによって、ドライビングそのものを堪能したり、少し大袈裟だが、自己の存在を確かめたりすることができた。面倒くさいようだが、気持ちや考えを整理するには、案外役立つ時間でもあった。
もし将来、自動運転以外の走行を許さないとしたら、このような楽しみは奪われてしまう。自動運転は大賛成だが、どうかマニュアル運転も出来る余地を、新しいシステムは持っていてもらいたい。