先日アメリカのNASAが興味深い発表を行った。水瓶座にあるトラピスト1という赤色矮星、すなわち我々の太陽よりも小さく、それでいて質量の大きい赤い星で、地球から39光年も離れた太陽系に、7つの惑星が存在していること。さらにそれぞれの表面にH2Oが、液体の水の状態で存在する可能性を示唆したのである。
H2Oは言うまでもなく、摂氏0℃から100℃までは液体で存在するが、生命が誕生するためには液体でなければならず、この条件を7つの惑星が満たしていることになる。ただし極端に暑かったり寒かったりすれば誕生しにくく、この中から2つの惑星に生命が存在する可能性が高いという。
トラピスト1に限らず、これまで数多くの太陽系惑星が見つかっているが、生命の存在が期待される惑星も幾つか指摘されてきた。ただしその存在を確かめるには、その惑星まで行くか、電波による交信を行う必要がある。
しかし30数光年先の惑星に行くには現代の科学技術では不可能であり、電波による交信が可能な知的生命体の存在は、さらに限られてしまう。以前よりSETIという団体が、この交信を試み続けているが、未だ交信には至っていない。
今回のNASAの発表は、我らが地球の生命が天涯孤独ではない可能性を示唆している。トラピスト1に電波を送り、返事が来るまでにたった76年待てば、それが証明される。心躍るプロジェクトである。