はじめのマイオピニオン - my opinion -
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パラリンピック開催に思う

 リオ五輪の興奮も冷めやらぬうちに、同所でいよいよパラリンピックがスタートした。パラリンピックの「パラ」とは並行の意味であり、健常者のためのオリンピックとパラレルに開催される国際スポーツ大会である。決してオリンピックの付録とか付属物ではないことを表している。

 障害者のためのスポーツ大会は、障害の種類に応じて多種多様に発展してきたようだ。身体障害者や視覚障害者については、第二次世界大戦の傷病兵や市民が、リハビリのためのスポーツを始めたのがきっかけで、戦後すぐのロンドンオリンピックに、イギリスのルードヴィヒ・グッドマンという人物が車椅子で参加したのがきっかけで、のちにパラリンピックに発展した。

 聴覚障害者のためのスポーツ大会は、それとは別にデフリンピックとして発展してきたが、その後パラリンピックと合流することになったという。

 一方、知的障害者のためのスポーツ大会は、アメリカのシュライバーという人物が、シカゴにおいて「スペシャルオリンピックス」という名称でスタートした。日本では細川元総理夫人の細川佳代子氏、そして今は有森裕子氏が代表をつとめている。この活動は知的障害者みんなが参加できる「みんなのスポーツ(sport for all)」をスローガンとしている。

 なお同じように知的障害者のためのスポーツを目指しつつも、エリート競技を対象としたものに、「国際知的障害者スポーツ連盟」というのがある。スペシャルとは一線を画して来たようだが、現在では一部「パラ」に合流しつつある。

 このように障害者のためのスポーツはとても多様であるとともに、健常者のスポーツを修正した種目だけでなく、障害者独自の種目も工夫して作られているので、そういう観点でパラリンピックを観戦すると、さらに興味や関心が湧くのではないだろうか。

 次回のオピニオンでは、これらの競技に使用される車椅子や義足に関する話題を提供したい。

[ 2016.09.12 ]