アメリカで大人気となったアプリ、「ポケモンGO」がいよいよ日本でも配信開始となった。現実の風景を映し出したスマホ画面に、ポケモンのキャラクターが消えたり現れたりして、それを捕まえ蓄えるゲームだ。
原理は簡単だが、現実とバーチャルを融合したところが人気の原因でもあり、また問題点でもある。アメリカではゲームに夢中になるあまり、崖から転落したユーザーがいたり、橋の下で不明者の遺体に遭遇したりと、事故やハプニングが多く報告されている。
広いアメリカでもこうだから、狭隘で混雑する日本においては、ただでさえ「歩きスマホ」による事故が絶えないのに、危険が増大することは明らかだ。日本での配信開始前に、政府が異例の注意喚起を促したのも頷ける。
一方、ポケモンGOの普及により、人々の交流が盛んになったり、引きこもりオタクが街に出るようになったりと、効用を説く向きもある。こしかしのようなことでしか懸案が解決しないのなら、実に寂しいことだし、これまでの無為無策を恥じるべきではないのか。
たかがゲームと言うが、このポケモンGOが社会現象となり、事故が多発した場合は誰が責任を取るのか。ユーザー個人の責任に転嫁するだけでは済まないのではないか。
我々は今後、インターネットやSNSへの依存体質や呪縛の弊害を再認識し、それらを取り除くための努力をしなければならない。彼らとの上手い付き合い方を、皆で考えなければならない。