はじめのマイオピニオン - my opinion -
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補助犬への理解を

 先日は宇都宮市郊外にある、東日本盲導犬センターで開催された「ふれあいデー」に出席した。センターは毎年5頭ほどの新米の盲導犬を視覚障がい者に貸し出して来た。累積では百数十頭になるのではないだろうか。一頭あたりのトータル費用が約500万円かかる。これを民間の寄付とボランティアで賄っていると聞いて、頭の下がる思いである。

 

 身体障がい者補助犬には、視覚障がい者のための盲導犬、聴力障がい者のための聴導犬、そして身体の不自由な方々の生活を支える介助犬がある。数からすると盲導犬が断トツに多いが、需要に対して供給が全く追いつかない。何らかの公的補助が出来ないものかと、検討を続けなければならない。

 

 盲導犬などの存在はかなり認められて来たが、盲導犬同伴に対する一般の人々の理解は、まだまだ十分ではない。ある人は「可愛い、可愛い」と言って、盲導犬のお仕事の邪魔をしてしまう場合がある。一緒にお店に入ろうとしたら、「犬の嫌いなお客様がいるかもしれないので」とか、「犬の毛が散るから」と言って入室を拒否されるケースが後を絶たない。

 

 国会においてはこのような事態を解消するため、平成14年に「身体障がい者補助犬法」を制定した。公共の施設や公共交通機関、人が大勢集まるスーパーやレストランなどは、補助犬との同伴を拒否できないこととした。

 

 しかしそれでも拒否の事例が絶えないので、平成19年の同法改正においては、公的な相談窓口を設置して、苦情の処理や問題解決の手伝いをすること。また14年法では抜けていた職場での同伴を認めることを追加した。今後とも現場の状況を見ながら、必要に応じて制度改善を図らなければならない。セラピー犬など新しい分野のお仕事犬への配慮も大切である。

 

[ 2016.05.02 ]