はじめのマイオピニオン - my opinion -
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またも地震列島を痛感

 この3月で、あの未曾有の災害だった東日本大震災から5年が経ったばかりだが、今度は九州・熊本で震度7を記録する大地震が発生した。亡くなられた40名を越える方々に哀悼の意を表するとともに、被災された方々に心からのお見舞いを申し上げたい。

 

 この度の熊本地震の特徴は、本震クラスの強い余震が長く続くことにある。当初14日21:26のM6.5の地震が本震だと思われたが、16日01:25のM7.3の地震がそれだったと修正された。14日がその前震だったようだが、このような修正はあまり例がない。それほどまで今回の地震は、特異な地震だと言える。

 

 この度の熊本地震は、布田川と日奈久という2つの活断層の交点付近を震源としており、断層面で左右に60cmズレたために起こったものと推定されている。しかもこの断層は阿蘇山をくぐって大分、愛媛を通る中央構造線断層帯と言われる大きな断層に繋がっている可能性がある。実際大分中部の湯布院でも、震度5強の地震が発生している。震源が次第に東に拡大しているのは気になる。

 

 人的被害の発生する大地震が起こるたび、「この活断層が動いたのではないか?」とか、「以前から活断層の危険が指摘されていた」という後追いの解説がされてきた。しかしこれは大変悔しいことだ。今後もさらに地震の発生メカニズムが研究され、後追いの議論がやがて先立ちの議論、すなわち「地震予知」が可能となる日が切望される。地震列島の中で発展してきた我が国の科学技術は、必ずやこのことを達成出来るはずである。

 

 そこに至るまでは、我々は地震発生による被害を最小限に食い止めるための、あらゆる国土強靭化対策を進めなければならない。まずは熊本地震の被災者の救援と、一日も早い復旧に全力を尽くさなければならない。

[ 2016.04.18 ]