はじめのマイオピニオン - my opinion -
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頑張れ!風力発電

 私はこの3年間にわたり、自民党電力システム改革委員長として、小売電力の自由化に取り組んできた。各家庭における電力購入の多様化にもつながり、電力料金の逓減にも効果を発揮すると期待されている。いよいよこの4月から自由化がスタートするが、既に既存の電力大手ばかりでなく、ソフトバンクやKDDIなどの携帯端末会社、ガスの大手や中小、民鉄など他業種からの参入も賑やかである。

 

 しかしよく聞かれるのは、自由化の一方で突然電気の供給がストップするのではないかという懸念だ。そうした事態を招かないように、我々は全国の電力供給のアンバランスを是正し、足りない時は「焚き増し」を命じる権限を持つ広域運用機関の設置、送配電業者に電気の受け取りや安定供給の義務付け、さらには空売りなど悪質な小売会社を排除するための電力取引監視委員会の設置など、安定供給のための安全装置を二重、三重にも構築した。

 

 今後の課題は、各種の電力商品に電源構成の表示を義務付けるかどうかである。再生可能エネルギーに対する関心が高まる中、このような義務付けはその普及に一役買うこととなるが、中小の小売会社にはやや負担が大きいので、しばらくは経過措置が必要である。

 

 また再生可能エネルギーにも電源の偏りが生じており、これを解消して行くことも課題である。現在は開発行為が比較的簡単な太陽光発電に偏り、再エネ電力量の8割以上を占めている。しかし太陽光は発電量にムラがあり、また系統接続が容易でない場所で発電するケースが多く、様々なトラブルも発生している。今後は小水力発電、地熱発電にも力を入れなければならないが、その建設には相当な時間かかる。FIT制度などで息の長い支援を必要としている。

 

 それらに比べると、風力発電は建設場所も比較的得やすく、費用もべら棒ではない。今後は環境アセスメントも出来るだけ早くクリアできるように、制度改善に努めていかなければならない。問題は羽の回転によって発生する低周波振動による、近隣住民の健康障害である。しかしこれも最近の研究により、振動の少ない羽の形状や干渉装置による振動減衰など、対策が進んでいると聞く。

 

 海上の立地も考えられるので、益々立地コストは抑えられることになる。ヨーロッパでは恒常的に吹く偏西風を利用して、風力発電のプロペラが林立している光景を目にするが、日本でもいずれは同様な光景を目にするだろう。昨年11月のCOP21で締結された「パリ協定」を我が国もしっかりと守るため、風力発電の推進が期待される。

[ 2016.02.22 ]