< 国連の中での役割 >
2番目に申し上げたいのは、それは先ほど国連軍の話を致しましたが、日本の国連における立場はまだまだ弱いと思っております。できれば安保理の常任理事国に一日も早くなるべきだと思います。今、常任理事国は5カ国しかありません。アメリカ、ロシア、中国、フランス、イギリスの5つだけです。これはよく考えてみると、あの第二次世界大戦における戦勝国だけなんですね。つまり国連といいましても、設立当初は戦勝国の議論で出来上がった国際組織なんです。もちろんいまや国連には180カ国という多くの国々が参加し、かつての戦勝国とか敗戦国とか、もう関係なく動いておりますから、それを言う必要はないと思うんですが、ただ安全保障理事会だけは戦勝国の枠組みがまだ残っております。ですから私は、それを早く打開すべきであると思うんです。
そのためにはまず、日本とドイツが常任理事国になること。しかしこれだけですと、その他の国々、特に発展途上国などから批判を受けかねません。ですから常任理事国の数を、2カ国だけ増やすのではなくて、例えば五大陸から必ず常任理事国が出ているという形。例えば、アジアでは日本が代表させて欲しいと思いますが、例えば南米からはブラジル、オセアニアではオーストラリアかニュージーランド、アフリカではエジプト或いはエチオピアに入ってもらうとか。そういった世界のバランスを取った常任理事国体制を作っていく必要があるのではないでしょうか。
常任理事国になるとならないでは、発言力はまったく違います。少なくとも安全保障理事会での存在は大変大きくなりますし、併せてその他の社会経済理事会とか、国連総会においても日本の発言は一目も二目も置かれる。こういう事になりますので、是非必要であります。もちろん、常任理事国になるということは、心構えもきちんとしておかなければなりません。安全保障の基本的な考え方をきちんと持ち、国際的な平和維持・創出活動に日本も参加できる体制を作っておくことが、常任理事国になるためにも大変大事であると考えます。これが二番目の課題です。
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