「ラウンドアバウト」と呼ばれる交差点を通ったことがあるだろうか。三叉路以上の交差点で、信号がなく、時計回りの環状道路に一度入って、好きな出口から出るというものだ。最大のものは多分、パリの凱旋門周囲の環状交差点だろう。イギリスでも郊外の道路の交差点の多くはこの方式である。
日本ではラウンドアバウトはまだ珍しく、2015年頃に道交法改正により導入されてから、徐々に増えてきており、昨年3月で全国で160ヶ所程度設置されている。栃木県内ではまだ3ヶ所の設置にとどまり、最初は大田原市郊外、次は宇都宮市西川田の運動公園周辺、そして最近できたのが宇都宮市大谷の平和観音西である。
慣れないとどうやって通り抜けたら良いか、一瞬戸惑うが、慣れてしまえば、こんなに楽な交差点はない。もちろん楽なばかりでなく、信号が不要なため電気も使わず、サステナブルな交差点だ。特に東日本大震災で長期に停電になっていた被災地では、信号機が作動しなかったため、渋滞や事故が続いていたことの反省により、国土交通省などが力を入れたのである。
ただラウンドアバウトを上手に使いこなすには、お互いの車が譲り合うことが必要なため、運転マナーが試される交差点でもある。旧軽井沢にあるラウンドアバウトでは、真ん中の丸い空き地に緑や季節の花が植えられており、ドライバーの目を楽しませてくれる。そういう美しいラウンドアバウトの誕生も望まれる。