はじめのマイオピニオン - my opinion -
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消費者トラブルを減らすために

 私はもう10年以上、自民党の消費者問題調査会長を務めているが、毎年発表される消費者被害総額が、なかなか6兆円を下らない。オレオレ詐欺や不当連鎖販売、預託ビジネスなどは減少傾向にあるが、ネット購入や取引、トクリュウ(匿名・流動型)犯罪の凶悪化など、新たなタイプの被害が後を絶たないからだ。

 これまで我々は特定商取引法や消費者契約法の度重なる改正により、消費者トラブルの防止に努めてきたが、一方で消費者が直接相談できる窓口、「消費生活センター」、そこで働く「消費生活相談員」の活動が大きな役割を担ってきたことは間違いない。

 またそこで得られたトラブル情報が、全国のセンターからPIO-NETと呼ばれる媒体で国民生活センターに集められ、数多のトラブルが類型化されたり、新手の詐欺が早期発見されたりして、法的に禁止行為としたり、スピーディーで的確な相談対応が可能となっている。

 ところがこの消費生活センターや相談員の費用は、地方消費者行政強化交付金のうちの、推進事業費から賄われていたが、規模の大きな自治体では令和7年度から、規模の小さな自治体では令和9年から段階的に廃止させるという。このままではセンターの規模縮小や廃止、相談員の雇い止めが大量に出かねない。消費者トラブルの抑制という大目標が崩れてしまいかねない。

 さらに地方消費者行政は待ちの姿勢だけでなく、消費者トラブルに関する出前講座、消費者教育、高齢者の見守りネットワーク構築など、新たな役割を背負う時期が到来している。また各自治体が国からの交付金を、専らこの分野にしっかり使ってもらうよう、強く要請したい。

[ 2025.04.21 ]
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